福といえば「えびすさま」。
福をもたらす日本の神さまであり、商人や漁師たちに敬われています。
えびすさまを祀った神社は全国に点在していますが、
その本総社が「十日えびす」が行われる兵庫県西宮にある西宮神社です。
祭りの開催時期はえびすさまのエネルギーが最も高揚する3日間、
ハイライトは何といっても10日の本えびすに行われる「開門神事福男選び」。
この神事はえびすさまから一番早く福を授かろうと集まった参拝客が、
早朝6時の開門と同時に表大門から本殿への約230mを全速力で走り参りします。
そして本殿に」先にたどり着いた3名が「福男」となります。
この記事を読んでわかることは…
・「福男選び」はいつ開催れるのか、またコロナの影響は?
・歴代の福男さんは誰?その後と役割は?
・「福男」実は女性もOKだった?
・福男選びのコースや走る距離は?またその参加方法は?
・歴代福男たちのタイムは?
・福男たちに贈られ景品の中身とは?
今回は「福男」について、
そもそも「福男」とは何か、参加方法、景品などについて探ってみました。
「福男選び」はいつ開催されるの?コロナの影響は?
毎年。1月9日から11日は十戒の祭礼が行われ、
3日間の内、10日午前0時にすべての門が閉ざされます。
そして神職は居籠りをし、午前4時からの大祭が厳かに執り行われます。
そして午前6時に赤門が開放され、
「福男」志望者たちは約230m離れた本殿へ我先にと「走り参り」をします。
それはそれは毎年、テレビで中継されるほどの大賑わいの「福男選び」ではありますが、
コロナの影響はどうでしょうか?
調べたところ、やはりコロナの影響もあってか、
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
2021年に続き、今年2022年も第6波が懸念されるなど状況が不安定なことから、
残念ながら中止となっていたようです。
ちなみに2年連続の中止は昭和41年と42年以来だということです。
江戸から続く伝統行事というだけあって、
中止という現実は悔しいものがありますね…
歴代の福男さんは誰?その後と役割は?
ところで歴代の福男さんは誰なのでしょうか?気になったので調べてみました。
ちなみに福男選びで一位になった人は
一番福、二位は二番福、三位は三番福と呼ばれているようです。
一番福 二番福 三番福
2015年 志和智徳さん 小池裕也さん 石田晃希さん
2016年 水田道成さん 丹羽孝之さん 松下彰太さん
2017年 鈴木隆司さん 渡部 涼さん 小野陽之さん
2018年 佐藤玄主さん 竹内紘生さん 渡部 涼さん
2019年 山本優希さん 伊丹祐貴さん 玉輝活也さん
2020年 黒木悠輔さん 藤本陽紀さん 川畑陽平さん
ほとんど毎年違う方が福男に選ばれていますね。
1930年~1997年くらいまでは、
同じ人が連続して福男になっていたという記録がありますが、
当時は珍しいことではなく、なぜなら開門前人数が200人程度だったようで、
福男に選ばれる確率も高いほうだったのではと推測しています。
ちなみに現在の開門前人数はなんと5000人にもなっているようです!
福男に選ばれたその後
また、福男に選ばれたその後も気になりますよね。
イメージ的には、選ばれた一年はいいことづくしで福に恵まれているんだろうなと羨ましく思ってしまいます。
だがしかしその実態は!?過去に選ばれた人たちのその後を追ったテレビ番組があったようで、
その1年は良い1年かと思いきや…
・「大学受験に失敗した」
・「インフルエンザに2回もかかった」
・「盗難にあった」
など、”福”とはなんともほど遠い返答が。。。汗
福男なんだから一年はずっと良いことがたくさんやってくるんじゃないの?と問い詰めたくなりますが、
実は福男には「役割」というものがあったのです。それは…
「自分の福を分けて周りを幸せにする。」
というのが福男の「役割」なんだとか。
そう言われてしまうと、大学受験に失敗したのも、
自分の代わりに誰かが受かったかもしれない。ともなりますし、
インフルエンザも自分がかかったから他の人にかからなかったかもしれない。ともとれますね。
モノは考えようですが、そう考えると納得してしまう部分もあります。
ですが、本人にとっては「え、そうだったの」と思う人も少なくないはず。
福を独り占めせず、周りにも分け与える。
その精神ことそが福男の役割となるんですね。
もしかしたら回り巡って自分に良いことが起こるかもしれませんよ。
「福男」実は女性もOKだった!?
結論から言うと「女性」でもなんら問題はありません。
女性に限らず、子供でもお年寄りでも誰でも参加が出来、「福男」の名を得ることは可能です。
ですが、これは”競技”ではなく”神事”ですので、
男より体力がない、ハンデがあるからと言って優遇されるわけではありません。
皆平等に正々堂々、走り参りに挑むことになります。
また、「福男」の文字のごとく男子だけを指しますので、
女性が福を授かれば「福女」となります。
ですが、今のところは女性の「福男」(福女)は実現していないようです。
もし、いつか福女が実現した時、その時の話題はとても大きなものになりそうですね。
福男選びのコースや走る距離は?参加方法はどうするの?
福男選びは約230m離れた本殿へ走り参りますが、
そのコースはどのようなものでしょうか?調べてみました。
⓵赤門:スタート地点、ここから全てが始まります。国の重要文化財指定でもあります。
②第一直線:一気に広がる直線になります。
③天秤カーブ:福男になるだけの資格があるか、ここで神さまから天秤にかけられるとも言われています。
④福男道:約100mの直線で参道が石畳に変わります。
⑤審判の楠:コーナーを抜けると突然現れる楠。スピードの調整をしないとそのままぶつかる方もいらっしゃるようなので、ぶつからないように注意です。
⑥魔物の角&びす坂:転倒者続出の最後の山場です。頑張って!!
各コースのポイントをおさえることも重要ですが、重ねてきた経験も必要になってきそうですね。
参加方法
また、気になるのが参加方法ですよね。
これまでは事前申し込みもなく、直前5分前からでも参加ができました。(福男を狙うなら別ですが…)
そして中止となってしまいましたが、
2021年は要事前申し込みとなっており、
申込用紙を西宮神社へ郵送若しくは持参となっていました。
次に、知っておきたいことの一つとして、
参加するだけなら必要ないことではあるのですが、
一番を狙う方は「くじ引き」に参加する必要があります。
なぜなら、スタート位置はブロック制で番号が割り振られており、
前の方の列はくじ引きでゲットする必要があります。
ということは、「くじ引き」の時点で
神さまはすでに「運」という天秤で参拝者を試しているのです。
つまり、本当の意味での「運」が必要となってきます。
ちなみにくじは1500本用意されており、前々から並んでおく必要があります。
歴代福男たちのタイムは?200m何秒くらい必要?
福男になるためにはどのくらいの速さが必要なのでしょうか。
残念ながらタイムは計測されていないのか公表されていないようです。
ですが、話に聞くとだいたい200m走22~23秒くらいという考察がでています。
実際には100m走11秒という強者も結構いらっしゃるだとか…とはいえ、
福男の走り参り攻略に必要なのは速さだけではありません。
一つは抽選で前列のくじを引き当てること。
いくら足が速くても後ろの列では福男の名を得るのも難しくなります。
二つ目はコースの攻略。
速さも大事ですが、各コースでのスピード調整も大事です。
三つめが走力。ではないでしょうか。
福男たちに贈られる景品の中身とは?
福男選びで一位になった人は一番福、二位は二番福、三位は三番福と呼ばれるという話は先ほども少しお話しましたが、
この一番福から三番福までが景品をいただくことができます。
景品の内容は次の通りです。
「福男」景品
▼一番福
・福男認定書
・えべっさんの木像(大)
・えべっさんの米1俵(60㎏)
・えべっさんのお酒4斗
・特製法被
・ヱビスビール1年分
・雪見だいふく
▼二番福
・福男認定書
・えべっさんの木像(中)
・えべっさんのお米1俵
・ヱビスビール半年分
・特製法被
・雪見だいふく
▼三番福
・福男認定書
・えべっさんの木像(小)
・八喜鯛(焼き鯛)
・ヱビスビール3か月分
・特製法被
・雪見だいふく
※景品のアルコールは福男が未成年だった場合「ジュース」にすることが考慮されています。
福男に選ばれると、
その1年間は西宮神社の行事に奉仕参加していただくという決まりがあります。
これは、どんな仕事をしていても、
どれほど遠方にお住まいでも、祭りなどが行われる日には、
優先的に西宮神社へ行かなければならないということだそうです。
まとめ
いかがだったでしょうか?西宮神社の「福男」についてお送りいたしました。
西宮神社の十日戒は、福男選びだけではなく、
とっても美人な福娘さんの手によって、
福笹に縁起物をつけてもらったり、屋台を楽しんだり、さまざまな楽しみ方がございます。
今はコロナで中止が相次いでおりますが、
コロナが収束し、また以前のようににぎやかな「福男選び」が戻ってくることを、
皆さんそれぞれ鍛えながら待っているかもしれませんね。早くその日が戻ってきますように。